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最終更新日:2024年4月17日

関東地方会

2018年10月19日 第72回研究会

日時
2018年10月19日(金)19:00〜20:45
会場
産業医科大学東京事務所
プログラム
◇講演
テーマ :「産業保健とAI」
講師:柿沼 歩先生(日本電気 健康管理センター医療主幹,8回生)
   田中 博典様(NECソリューションイノベータ イノベーション戦略本部)
参加者数
26名(医学部24名(2~30回生),保健師1名,NEC開発者1名)
報告
坂本 宣明(ヘルスデザイン,19回生)

2018年10月19日に関東地方会第72回研究会を開催致しましたので、ご報告します。

まず最初に、柿沼歩先生からNEC全体の産業保健活動についてご説明をいただきました。
産業保健活動として、当初は診療も行っていたそうですが、活動の変遷の中で、診療を廃止、がん検診の導入、入社時・入社後3年目・30歳などの節目での全員面談の実施、ストレス対策の取り組み、歯科口腔保健の取り組み、最近ではホワイト500の認定取得、長時間面接者の基準の見直しなど、産業保健職として奮闘されてきた活動についてご紹介いただきました。
産業保健職として歩まれてきた道のりを皆で学ばせていただくことができ、聴講者地震の産業保健活動のヒントにすることができました。

次に、健診結果の未来予測システムの開発も産業医の立場から携わっている状況をお伺いしました。
AIの概略説明とともに、AIに基づく健診データの未来予測による保健指導とその動機づけ、組織全体の健康度の未来予測を行って社内に説明し、組織として関心を高めてもらうといった先進的な取り組みをご紹介いただきました。
AIに基づく健診データの未来予測は、今までに蓄積された膨大な定期健診データと問診票データ等から健診結果予測モデルを作り、これに基づいて、現状の生活を続けた場合での将来予測と、生活を見直した場合の将来予測を各人に提供していくというものでした。将来像の提示によって、今までとは違う手法として行動変容を促進することができ、高リスク者に対して早めに対処することができ、組織の健康課題についても先回りで対応することが可能となることが示唆されました。これらは第89回〜91回の日本産業衛生学会でもご発表されていますので抄録をご確認いただければと思います。

後半は、実際のAI開発者である田中様より、NECのAI技術とAIによる健診結果の分析を可視化した事例をご紹介いただきました。
実際の画面を見せていただき、デモンストレーションとして、健診データに基づいて、3年後までのデータの推移を予測するシステムを動かしていただきました。そして様々な因子(生活習慣項目など)を変えた場合に、どのようにデータが変化するかを刻々と可視化してお示しいただきました。個人個人に合った最適な生活行動の改善を優先度も含めて複数提示することができ、その行動を変えた結果までを示すことができるため、非常に強力な動機づけツールになると感じました。将来が予測できる状況に感動を覚えました。実際に使ってみたいと思った次第です。

最後に、質疑応答も活発な議論が行われました。例えば、将来予測で良い状況を示すと労働者は安心して生活が崩れてしまうのではないか?、どんなデータをAIに入れると良いのか?、健診の生活に関する問診票で嘘をつかれるとどうなるのか?など、多岐に渡った質問が繰り広げられ、柿沼先生と田中様からご回答をいただき、盛況のうちに閉会となりました。

その後、懇親会状に場を移し、引き続き17名が参加し、全員の自己紹介タイムがあるなど、夜遅くまで懇親を深めることができました。

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