
2002年7月13日,20日 先輩産業医と語る会 [報告]
今年の関東地方会主催の「先輩産業医と語る会」は、第1回が7月13日(土)に、第2回が7月20日(土)に開催されました。会場はどちらも新日鉄幕張研修センターでした。
各回とも学生を含めて30名前後の参加者が集まり、有意義な会となりました。
- 第1回(7月13日)
「医療は今後15年で大きくかわる!」
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7月13日は、信州大学医学部解剖学第一講座教授
佐々木 克典先生をお招きし、「ES細胞の可能性について」という演題で、再生医療の最先端について御講演いただきました。
佐々木先生は、信州大学医学部が計画している、あらゆる組織の細胞になる能力をもつヒトの胚性幹細胞(ES細胞)の研究の中心メンバーです。2001年12月、日本で最初に研究計画を文部科学省に提出し、現在審議中です。近い将来に臨床応用されるであろう最先端医療の動向を理解しておくことは、産業医学の実践の上でも必要なことであると考え、研究の現状と将来の展望についてご講演いたただきました。
佐々木先生は、元は小児外科の臨床医で、小さな胆道閉鎖症の患者を診て、臨床における移植医療の必要性を感じ、自己完結型の移植の研究に携わることになったそうです。臨床における経験を基にした、将来の移植医療実現のための決意と情熱がひしひしと伝わってくるお話で、深く引き込まれました。
「医療は今後15年で大きくかわる!」
今回の講演の中で最も印象に残ったメッセージでした。ES細胞の臨床応用は、7年後の2009年を目標に進められています。今から15年後には、我々が大学で全く教わっていないことが、大病院では普通に行われる環境になっている可能性があります。そうした医療技術の変化や見通しについていくことも、産業医として必要な資質の一つと感じました。
今回のご講演は、産業医業務の中では接することのない先端知識についてであり、非常に意義深いものでした。

(佐々木 克典先生)
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第2回(7月19日)
「企業のトップは社員の健康管理をどのように考えて来たか?」
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7月19日は、元新日鐵常務取締役君津製鉄所所長,元合同製鐵取締役社長の三田村
外喜男先生に、「企業のトップは社員の健康管理をどのように考えて来たか?」という演題で御講演いただきました。
先生が長年にわたり企業トップとしてご活躍された経験から、「自己責任の時代において、企業は産業医に何を期待するのか」をお話いただきました。 産業医へのメッセージとして、「社員との歴史観の共有」を強調されていました。社員と同じ視線に立つことによって現場を正しく理解することができ、社員からの信頼も得られるということでした。
それと同時に俯瞰することにも触れ、視野が狭くなりがちな専門分野の世界において、周囲を広く見渡すことが、仕事をしていく上で重要であることを教えていただきました。他社企業のトップが産業医に対して考えていることを聞く機会はあまりなかったのですが、企業トップによって考え方が随分違うことを実感しました。

(三田村 外喜男先生)
古河 泰(味の素,9回生)
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