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最終更新日:2024年4月17日

関東地方会

2019年9月21日 第77回研究会

日時
2019年9月21日(土) 14:00~17:00
会場
日本橋ライフサイエンスビルディング 3階
テーマ
令和の女性の健康管理について
スケジュール
講演1「令和に紡ぐ男と女の働き方改革」
講師:長井 聡里先生(JUMOKU,6回生)
講演2「プレゼンティーズムにおける漢方とエクオールの有用性」
講師:加藤 士郎先生(野木病院副院長/ 筑波大学附属病院臨床教授)
共催
アリスの会
参加者数
26名
(講師の加藤先生,講師の長井先生(産業医大卒),産業医大医学部卒18名,産業医大環境マネジメント学科1名,アリスの会事務局1名,他大学医学部卒2名,企業2名)
報告
2019年9月21日に産推研関東地方会第77回研究会を開催しましたのでご報告いたします。

今回は、産推研関東地方会とアリスの会による共同開催として行いました。
また、初めての試みとして、WEBによる遠隔配信も行いました(会員のみに、希望された方にURLをご連絡して視聴していただきました)。
さらに、託児所も会場隣の部屋に用意して、託児サービスも行いました。託児の利用者は少なめではありましたが、託児サービスによって初めて産推研に参加できた人もおり、このような研修と家庭の両立を図るようなアイデアを今後も考えていきたいと思います。

さて、今回の産推研・アリスの会では、「令和に紡ぐ男と女の働き方改革」と題して、2名の先生にご講演をいただきました。
まず最初に、JUMOKUの長井聡里先生(6回生)からご講演をいただきました。長井先生からは、働き方やキャリアが多様化している状況があり、一方で、女性の特性として妊娠・出産、更年期などの体調の変化があり、既存の健常成人男性をモデルにした健康管理では対応できない面が多いことをご紹介いただきました。また、生物学的な性差と社会文化的な性差の両方を考慮することが重要であり、女性の年齢に合わせたライフイベントと身体変化を考慮することが大切であることが述べられました。
女性が更年期から老年期までも元気に働くためには、健康に歳を重ねていくことができるような支援が重要であり、働く女性の健康管理の在り方は、今までの健康施策の在り方も含めて、広く見直す必要があると説明がありました。女性が男性のような働き方をするという時代から、男性が女性のように暮らすという考え方がこれからは良いのではないかともお伝えいただきました。
また、女性が学会等に参加しやすくするためのアイデアもご紹介がありました(これは先の産業衛生学会全国協議会でのワークショップでの成果の一部)。
女性にとって働きやすい職場づくりの工夫として、女性の優しい職場づくりナビ、けんせつ小町HP、プレコンセプションケアのHP等についてご紹介いただきました。

後半は、野木病院副院長、筑波大学附属病院臨床教授である加藤士郎先生よりご講演をいただきました。漢方外来で多くの症例を経験されており、また産業医としても豊富なご経験をお持ちの先生です。加藤先生のユニークなお人柄で、非常にわかりやすいご講演を聴くことができました。
まず、東洋医学の考え方のひとつに「気血水(きけつすい)」という概念があり、それら3つの要素の働きによって、身体だけでなくメンタルヘルスにも影響するというご説明がありました。冷え性やのぼせといった女性労働者のプレゼンティーイズムの原因となり得る症状に対して、大豆イソフラボンの代謝物であるエクオールの効果が確認されていること、東洋医学的な生活習慣指導や、漢方薬も有効であると教えていただきました。
興味深いお話として、女性の不調の原因に夫とのコミュニケーション不足「夫源病」があること。その一番の予防策は、家庭におけるコミュニケーション量であることもお話しいただきました。
研究会後の懇親会においても、個別事例の相談にも快く応じてくださいました。

懇親会でも、参加者がお互いの近況を報告したりするなど、交流を深め、盛会のうちに終了となりました。

文責 朝長健太(労働安全衛生総合研究所)
   野口裕輔(厚生労働省)
   守田祐作(日本製鉄)
   深井航太(東海大学)
   小笠原隆将(三菱ふそうトラック・バス)
   坂本宣明(ヘルスデザイン)

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