九州地方会
2026年2月7日 第58回研究会(2026年 合同産業保健セミナー)
- 日時
- 2026年2月7日(土)13:00~16:10
- 会場
- TKP博多駅筑紫口ビジネスセンター会議室301
&
オンライン (ライブのみ,Zoom Webinars)
- 共催
- 日本産業衛生学会 九州産業医部会
- 後援
- 日本産業衛生学会 九州産業技術部会
- プログラム
- 『熱中症アップデート!』
講師: 齊藤 宏之先生(労働安全衛生総合研究所 化学物質情報管理研究センター ばく露評価部 部長)
『全国初!「嗅覚・味覚センター」の開設と産業医学における意義』
講師: 柴田 美雅先生(産業医科大学病院嗅覚・味覚センター 部長)
- 参加者数
- 97名(現地20名,オンライン77名)
- 報告
- 井上 由貴子(産業医科大学 IR推進センター,看13期卒)
2026年2月7日(土)に開催した2026年産業保健セミナー(共催:日本産業衛生学会 九州産業医部会、産業医学推進研究会 九州地方会、後援:日本産業衛生学会
九州産業技術部会)について報告いたします。本研究会は近年最多となる150人近くのお申込みをいただき、97名(現地20名、オンライン77名、うち会員58名)と多くの方にご参加いただきました。
前半は「熱中症アップデート!」として、齊藤宏之先生(労働安全衛生総合研究所)より、最新動向と職場での実践的対策をご講演いただきました。熱中症は職場外での発生が多い一方、職場では屋外作業を含む業種で重症例・死亡例が目立ち、とくに小規模現場(事業所)でリスクが高い傾向が紹介されました。また、法令対応の強化を背景に、報告・連絡、作業離脱、身体冷却、救急要請までを「迷わず実行できる手順」として整備し、現場で確実に運用する重要性が共有されました。WBGT等に基づく判断や測定・運用上の留意点に加え、休憩環境の整備、冷却(プレクーリング等)、水分・塩分補給、暑熱順化など、取り入れやすい対策も具体的にご紹介いただきました。さらに、3月に熱中症対策のマニュアル(ガイドライン)が公表予定である点にも触れられ、暑さが本格化する前に体制と教育を整える必要性を改めて認識しました。
後半は「全国初!『嗅覚・味覚センター』の開設と産業医学における意義」と題し、柴田美雅先生(産業医科大学病院 嗅覚・味覚センター)より、嗅覚・味覚障害の概要と就労への影響をご講演いただきました。嗅覚・味覚は、腐敗臭やガス漏れの察知など安全確保に関わるだけでなく、QOLにも直結する機能であり、職種によっては業務への影響が大きいことが具体例とともに紹介されました。また、原因により対応が異なるため、適切な診断につなげる重要性が共有され、嗅覚検査や嗅覚刺激療法(においリハビリ)などの支援方法もご紹介いただきました。味覚障害についても、亜鉛欠乏や薬剤性、ストレスなど多様な要因が関与し得ることが示され、産業保健職として本人の困りごとを丁寧に受け止め、受診・相談につなげる視点を学ぶ機会となりました。
会の最後には、九州地方会長の浅海先生の音頭で「1・2・サンキュー!」の掛け声を行い、参加者同士で団結を確かめ合って閉会となりました。