九州地方会
2026年8月22日 第59回研究会
- 日時
- 2026年8月22日(土)14:00~16:00
- 会場
- 黒崎コムシティ 3階 大会議室
- テーマ
- 産業保健職の研究・学会発表への第一歩 ~ 日々の実践を研究につなげるために ~
- プログラム
- 1. 保健師としての実践を研究・学会発表につなげる事例紹介
台信 美咲先生(西日本産業衛生会 保健師,看護学科23期卒)
上原 直美先生(ダイハツ九州 保健師,看護学科6期卒)
2. 現場のデータから始める産業保健職のための研究入門
池上 和範先生(桜十字福岡病院 産業医,医学部20期卒)
- 参加者数
- 47名
(産業医7名,産業看護職28名,教員3名,学生7名,その他2名)
- 報告
- 光田 明香里(NTT西日本健康管理センタ,看護学科23期卒)
廣末 優里(TOTO,看護学科23期卒)
2026年8月22日(土)に開催しました、九州地方会第59回研究会についてご報告します。
研究会には総勢47名と多くの方にご参加いただきました。(産業医7名、産業看護職28名、教員3名、学生7名、その他2名)
今回は、専攻科を卒業された方から今年卒業した入社1年目の方まで、幅広い年代・経験年数の方々にご参加いただきました。
産推研未会員の方や初参加の方も多く、皆さまと交流できたことを大変うれしく思います。
「産業保健職の研究・学会発表への第一歩」をテーマに、(一財)西日本産業衛生会の保健師 台信美咲先生、ダイハツ九州株式会社の保健師 上原直美先生、桜十字福岡病院の産業医
池上先生をお招きし、ご講演いただきました。
台信先生からは、船員を対象とした生活習慣調査についての研究をご紹介いただきました。
日々の実務で感じる疑問が研究の種になること、早い段階で上司や産業医などに相談し、一人で抱え込まないことの大切さを学びました。
また、研究の意義を協力事業所と共有し、得られた結果を飲酒対策のセミナーなど、具体的な健康支援へ還元することも重要であるとお話しいただきました。
上原先生からは、「忙しい」「統計が苦手」と感じられながらも、産業医や外部専門家からの後押しを受け、事例発表から一歩を踏み出された経験をご紹介いただきました。
体力測定に関する事例発表から、生活習慣と筋骨格系疼痛、交代勤務者の睡眠休養感とプレゼンティーイズムへと研究を発展されており、一つの発表が次の研究課題につながっていくことを学びました。
また、指導者や共同研究者の存在、シンプルな発表資料と十分な予演の大切さもお話しいただきました。
池上先生からは、日常業務の中で感じる「あれ?」という気づきを研究につなげるための基本をご講演いただきました。
研究デザインの選び方や「FINER」「PECO・PICO」などによる研究課題の整理、交絡因子への注意について学びました。
また、ストレスチェックや健康診断のデータを活用する際には、必要な承認を得たうえで、オプトインやオプトアウトなどの適切な手続きを踏むことが重要であるとご説明いただきました。
全体の質疑応答では、研究を通じた思考の変化や学習法、職場の協力を得る工夫が共有されました。
日頃から上司や産業医との信頼関係を築き、研究や学会発表が職場の健康課題の解決や社会貢献につながることを理解してもらうことが大切であると学びました。
今回のご講演を通して、研究や学会発表は、日々の実践の中にある小さな疑問から始められることを学びました。
一人で悩まず周囲に相談し、まずは取り組みやすい形で実践をまとめることが、最初の一歩になると感じました。
終了後の懇親会にも33名と多くの方にご参加いただき、情報交換を通して交流を深めることができたとのお声をいただきました。
加えて、事後アンケートを実施したところ、受講者の約88%が学会発表未経験者だったにもかかわらず、講演後は75%以上が「新たに挑戦したい・継続したい」と回答しており、受講者の心理的ハードルを大きく下げていたことが表れていました。
御講演いただいた先生方をはじめ、ご参加いただきました皆さま、本当にありがとうございました。